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2017年03月31日

思われるメッ

そうわたしとヒカルの唇が一瞬重なるようにして動き、ふたり同時にそうささやいた。

と、その時だった???、わたしは再び遠い記憶の彼方へと意識が押し流されるのを感じ、そのまま例の、あのブラックアウトがこのわたしを襲った。

それから次にわたしの意識が戻り始めたと気づいた時、わたしはうつ伏せの状態で何処かの部屋の布団の上にいるようだった。
そして再び数秒ほどの記憶喪失状態の後、わたしは緩やかだが完全に意識が覚醒するのを自覚する。

ここは????

と、その瞬間わたしはガバッと飛び跳ねるように起きると、自分の置かれている状況を把握するため辺りをゆっくりと視線を凝らし冷静に見渡す。

するとそこは、わたしがこちらの世界でユナと訪れた草津の宿の部屋にまちがいなかった。

それからわたしは思い出したようにテーブルの上に置かれていた自分の携帯を手に取ると、すかさずその画面にあるその日の日付を確認する。

09:363月18日(金)

あの夜の翌日の朝だ。

助かった???。
わたしはこちらの世界に帰って来れたのだ。

よかった。
って、あ、あれ?
で、でもユナがいない。

そう思いつつふと見たテ
ーブルの上の、わたしの携帯がその上に置いてあったであろう所に一枚の紙切れが置き手紙のようにあることにわたしはすぐに気づく。
するとそこにはユナの手書きと思われるメッセージが、ボールペンで殴り書きのように書かれていた。
と、その内容もいたってシンプル。

『今日まで本当にありがとう???、ナオキ。
お世話になりました。
ユナ』

その文面はどう見てもわかり易いお別れのメッセージのようにしか見えなかったわけで。
って、でもまたこんな状況でいきなり何故?
なんて思いつつ、わたしはしばらく放心したように布団の上でその手紙をじっと見つめていたのだが???、そんなことをしていてもらちがあかないことに気づき、わたしは荷物をまとめチェックアウトの準備に取りかかった。
ユナの荷物は何ひとつそこには残されておらず、彼女の着ていた浴衣はもとあったのと同じようにきちんと折り畳まれ床の間の上に置かれていた。

フロントに下りて行くと、カミカワさんが、
ああ、ホンジョウ。  


Posted by Do not love my please handstand at 12:25Comments(0)
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